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車いす適合支援

日常的に、私たちは暮らしを支える便利な道具を使用して生活の質を高めております。車、電車、飛行機、暖冷房器具、パソコン等は、生活の上で欠くことのできない物になって参りました。

人に密着した生活の道具として、靴や眼鏡は割と利用されている方も多いと思いますが、これらの道具は、きちんと人に適合させてこそ真価を発揮する道具といえます。度の合わない眼鏡で日常生活を送られる人はほとんどいらっしゃらないと思います。

一方、車いすに光を当ててみると、人によってちぐはぐです。実際、座っているだけの人が多く、一部こだわりのある人が自分の身体にあった車いすを利用している程度である事が伺えます。これでは、サイズの合わない靴を履いて生活しているのと同様で、人体に対する悪影響は否めません。

当施設では、平成24年から、大学の研究者を招へいし、「人と車いすの適合化」の研究に取り組んで参りました。「モジュラー型車いす」を用いて、車いすを人に適合させる事によって、生活の質の向上を目指しております。実際に、施設に入居されている方をテストケースとして、様々な問題点が改善される事が分かって参りました。

例えば、酷い褥瘡で苦しんでいた人が、車いすを最適化する事により、症状の改善に成功しました。また、自走が困難だった方が、自分の力で漕ぎ出すなど活動が活発化する事も、この取組みから見えて来ております。健常者である方々も、他人の車を運転する時には、シートを自分のポジションに合わせた上で運転されるのと同様に、人の身体は実は千差万別です。福祉用具の中でも、とりわけ利用率の多い車いすこそ、個々の状態に合わせて運用しなければ、悪影響にしかならない物なのです。

私たちは、他の施設に無い福祉サービスの一環として、希望される方に車いすの適正化支援も行っております。